「Japan Expo 2019」で鈴木裕さんが登壇したMasterclassが開催!

7月4日よりパリで開催されている「Japan Expo 2019」の3日目で、鈴木裕さんが登壇したMasterclassが開催されました。

Masterclassはこれまでの経歴などを振り返るカンファレンスで、過去『ゼルダの伝説』などのMasterclassが開かれたこともあります。

そんなカンファレンスの内容をまとめました。
全部ではなく、主に後半部分の『シェンムー』の話のみです。

前半の部分は軽く紹介するたけなので、そちらについては動画をチェックしてください。
後半は文字起こしで紹介します。

前半のまとめ

前半は主に、これまでの裕さんの家庭環境や子供時代のこと、ゲーム業界に入った経緯などを振り返るものでした。

その話の中で、裕さんと家族の写真も2枚共有されています。

そして話題はシェンムーにも収録された『スペースハリアー』や『アウトラン』など、裕さんのアーケードゲームの話に。

「スペースハリアーいつかまた新しい作品遊びたい人がいっぱいいると思うんですけども、何か次可能性ありますでしょうか?」と質問された裕さんは、「スペースハリアーやると楽しそうですね。新しいやつは多分。企画もちょっとあるんだけど、何かこういうのでやると(VRゴーグルの動きをしながら)楽しそうだなって思って。」と答え、可能性を否定しませんでした。
(だからといって新しい作品が出ると決まったわけではなく、企画を考えていることだけの話です。)

次はアウトランの取材のときヨーロッパにいて、何か面白いエピソードはなかったかについて。

鈴木裕:フランスに来たときに、南フランスのほうだったと思うんですけど。取材の旅行2週間だったんですけど、やっぱりお腹が減るじゃないですか。ですからレストランを探してレストランに行って「メニューをください。」と頼むと料理が出てきちゃうんですよね。どこへ行ってもどこへ行っても「メニューをください。」と言うと料理で出てきちゃう。
鈴木裕:後で分かったのが、メニューって定食のことだったみたいで。
鈴木裕:で、「フランスではアラカルトって言うんだよ。」って教えてもらって。
鈴木裕:アラカルトを覚えたので、次は「アラカルトください」って言ったらちゃんとアラカルトがきて。で、アラカルトでこれとこれとこれとこれください。って。
鈴木裕:そしたらスープだけ4つくらいきちゃったことがあります(笑)。
鈴木裕:次からは学習効果だして、上と真ん中と下を頼むようになって。フランス語読めないからね、色々苦労しましたね。

MC.おいしかったですか?
鈴木裕:何かスープって食べ物かなって思って。日本だと飲み物なんだけど、凄い量が多くて凄いお腹に溜まる。

この話題の後、グラスホッパー・マニファクチュアの須田剛一さんから鈴木裕さんに向けて応援メッセージと質問が送られていました。

ここからシェンムーについての話です。

シェンムーについて

MC.さっきのアウトランの話と同じく、何か取材を中国とか香港でされていると思うんですけど、何か面白いエピソードはありますでしょうか?
鈴木裕:シェンムーとバーチャファイターが結構関係あるので、バーチャファイターのときの取材とかも含めて何か喋ってみてもいいですか?
MC.どうぞ。喜んで。

鈴木裕:返し技っていうのがあって。こちらから攻撃を仕掛けたときに相手がどうかわしてくるか。また攻撃をしかけてくるかっていうのを知りたくて、少林寺まで取材に行ったんです。
鈴木裕:で、少林寺にはたくさんの拳法、マーシャツアーツが。何種類もの拳法があって。そこで教室が沢山あるんです。
鈴木裕:そこで僕が色んな流派の拳法の方にヒアリングに行くんですね。こういう攻撃をしたらどうかわわしますか?こういう攻撃をかわしたら、どうかわしますか。って聞くんですけど。どうやっても相手の特徴が、拳法の特徴が出ないんですよ。
鈴木裕:ぼくがこうやっても相手が…避けちゃったりして(とジェスチャーでパンチと避ける動作)。ですから「本気で打ってこい」って(相手が)言うんですよ。
鈴木裕:向こうの人は僕が素人だって分かるから、素人の人が本気で打ってきても僕たちが毎日練習してるから当たらないから。思いっきり打ってきてくれと。そうしないと拳法の特徴が出ないよって。
鈴木裕:僕が本気でいってる内に何回もかわされるんですけど。子供たちが、生徒たちが集まって来て。何か日本人が少林寺拳法に挑戦しにきたように見えたんですね。きっと。
鈴木裕:で、僕がやられるたびにみんなで「ワッーっ」と盛り上がって。
鈴木裕:拳法の先生の膝蹴りが当たったり、僕が投げとばれたりして、頭から落ちてタンコブができちゃった(笑)。
鈴木裕:今考えるといい思い出なんですね。嫌なことじゃなくて、これが僕の勲章みたいな感じで。

MC.取材だったのですべてカメラでおさえるんですよね?
鈴木裕:そうですね。そのときビデオカメラを持っていて、100分の1秒のモードがあって撮影してたんですけど。蟷螂拳(とうろうけん)っていう拳法で。かまきりの拳法で。

※注釈:シェンムーには、ユアンなど蟷螂拳の使い手が何人かいます。チャイも蟷螂拳をかじってますが、我流が入っていて見分けがつかないらしい。

鈴木裕:で、蟷螂拳を撮影してたんですけど、カメラにうつってないんですね。まわしてたけど。
鈴木裕:目で見てるときは彼の手はちゃんと伸びてるんだけど、カメラにはこっから伸びてるところがうつってない。

鈴木裕:で、多分100分の1秒の間にピュンとのびて返って来てる。凄い。
鈴木裕:やっぱり中国拳法は凄いなっていう。

MC.シェンムーは歴史的に残る名作だと思うんですけど、同時の他のゲームと何か違っていたんでしょうか?
鈴木裕:僕はシェンムー作る前はアーケードゲームばっかり作ってたんで、何かコンデンスミルクみたいに3分の中でどれだけテーマ一つを深く描くかってってことをやってたんですよ。
鈴木裕:その時代のどのゲームもテーマを一つにして深く描くってことをやったゲームが成功して、それで複数のテーマを持ってる奴はだいたい失敗しちゃった。
鈴木裕:シェンムーの企画は例えばバトルもあって、クエストもあって、シマテティックなシーンもあって。色んな要素がシェンムーは入っているから、たくさんの要素がある場合はみんな浅くなるから。そういったゲームは絶対失敗するっていうタブーがあったんです。
鈴木裕:で、タブーなので色々な人が反対したけど、バーチャファイターも作ったし、ドライブゲームも作ったし、飛行機のゲームも作ったから。色々なノウハウもあるし、ライブラリもあるから。それを使えばテーマが複数あっても何かできるんじゃないかなと思ってシェンムーを始めたんですね。
鈴木裕:多分皆さんもご存知のように、シェンムー1を作るときはやっぱり大変だったね(笑)。苦労した。

MC.20年前に考えたシェンムー3と今のシェンムー3って何か違いがあるんでしょうか?
鈴木裕:20年前は11チャプターのノベライズがあって。で、チャプター1がシェンムー1で、チャプター2がシェンムー2で。1対1で作ろうと思ってたんですね。
鈴木裕:20年も経ってしまったので、シェンムー3はそのペースでやると僕が生きてる内に終わんなくなっちゃうなと思って。
鈴木裕:ですからシェンムー3は構成を変更して新しい構成になっています。20年前の構想とは違うシェンムー3になってます。

MC.シェンムー3の特徴は何か説明してもらえますか?
鈴木裕:そうですね。シェンムー3はとにかくゆっくり、ゆったりと遊んで欲しいゲームですね。ゲームの中に色々な要素があるので、それを自分で探して発見して、それで見つけていくのが楽しいゲーム。そういうゲームを作りたかったんですよ。
鈴木裕:だから今のゲームの支流になっているようなチュートリアルがたくさんあるタイプじゃなくて。その代わり色々な要素がたくさんあるので自分で見つけて。色々な物を見つけていく旅みたいなイメージですね。

鈴木裕:今時ちょっとのんきにゆっくりやるゲームも少ないかもしれないけど、ここにいる皆さんはぜひのんきに、スローライフでゲームをして欲しいなと思うんです。

MC.確かに自由度の高いゲームですね。
鈴木裕:最近僕の会社(YS NET)でプレイチェックをしています。一般の人とかシェンムーの経験者とか、経験者じゃない人とかがプレイすると、シェンムーの特徴だと思うんですけどどの人もプレイもみんな違うプレイになっている。
鈴木裕:ですから今度のシェンムー3ってプレイヤーの性格が凄くよく出ちゃう。ケチな人とか、お金におおらかな人とか、最初から準備をしていく人とか。お金がなくなってから考える人とか。
鈴木裕:薪割(まきわり)で一生懸命地道にお金を貯めてる人とか。釣りもあるんで、釣りででかい魚を釣ってそれを売ってお金にする人とか。
鈴木裕:で、もちろんギャンブルで一発でお金を儲けようとする人もいるし、地道に拳法の練習をする人もいるし。それでお金で回復薬をどんどん買う人もいる。
鈴木裕:ストーリーを追いかけていくと目的があって、そこに向かって行くんだけど、目的の行き方が色々な自由度があるから。みんな違うプレイになっちゃう。同じプレイの人を見たことがない。今まで。

※注釈:鈴木裕さんはReboot Develop Blue 2019のときも「最近盛んにプレイチェックをやっているんですね。モニターの人呼んで来て色んなチェックをしているんですけど。外の人で20人くらいテストしたけど、全員違うプレイになっちゃって。全く違うプレイになっているので、よくもまぁこんなに違う遊びに。まぁデバック大変ですけどね。狙った感じにはなってきたんじゃないかなと思います。」と話していました。

鈴木裕:ですから何かキャッチフレーズを考えたいなと思ってたんだけど。シェンムーをなかなか伝えられないので。シェンムーは「あなたを写す鏡です。」っていうのはどうかな?

MC.それで終わりになりました。最後に皆さんのために用意してくださっていると思うんですが、何かありますか?
鈴木裕:今日初公開のスクリーンショットと、後は96年くらいにシェンムーを開発した当時のスケッチと。後は公開はしてるんですけど、なかなか皆さんの目にとまりにくいトレーラーみたいなのをもってきたので。スクリーンショットからお見せします。

MC.これは何ですか。
鈴木裕:これはね、シェンムー1から出てきているチャイっていう敵ですね。涼たちに襲いかかってきてるやつですね。

鈴木裕:ちょっと藍帝のカットも少なかったので一つ持って来ました。

鈴木裕:これは白鹿村っていう最初の町の市場ですね。パンダ市場っていう市場ですね。パンダマーケット。
鈴木裕:ここにはゲームセンターがあったり、質屋があったり、景品交換所っていうのがあったり。白鹿村っていう田舎の経済の中心。ちっちゃなところですけどね(笑)。

鈴木裕:これはゲームセンター。これは鳥舞っていう町のゲームセンターになります。

MC.何かゲーム遊べるんですか?
鈴木裕:何個か新しいミニゲームが用意されています。これただのゲームだけじゃなくて、1&2はただゲームを遊ぶだけだったんですけど、遊ぶことによって景品がもらえたり、何か色々繋がりができるような構造に今回なっているので。それは後のお楽しみにしたい。

鈴木裕:これは96年くらいに書いたスケッチですね。昔からフォークリフトが好きだった(笑)。

鈴木裕:これは涼をどういうところから始めるか。涼のタッチを…どんな涼からスタートするか。もともとはバーチャファイターRPGで晶がモデルだけど、そのモデルでいくのか。それともちょっと優しい感じでいくのか不良の感じでいくのかを迷っていたときの色々なパターンを持ってきました。今回。

鈴木裕:これはちょっと優しい感じの涼のデザイン。色々なデザインを考えてたんですね。か弱いキャラクターからどんどん強くなっていくっていう変化を出そうというコンセプトでした。このときは。

鈴木裕:これは最初から不良っぽい。ちょっとワイルドな感じの涼。最初からこういったらどうかな?っていうスケッチですね。

鈴木裕:これは戦っているシーンですね。

鈴木裕:これは横須賀のところをバックにした涼のスケッチですね。だんだん今の涼に近づいてきたと思うんですね。

鈴木裕:これはシェンムーがバーチャファイターRPGだったころのスケッチですね。そのまま晶の顔

鈴木裕:これが最終的にイメージとして悩んだ末に決めた涼のイメージです。

MC.最後に一言メッセージありませんか?
鈴木裕:ビデオテープが一つあるんだけど。短いんだけど。

MC.最後にメッセージ一言お願いします。
鈴木裕:シェンムー3がここまで来れたのも、ファンの皆さんとバッカーの皆さんのおかけでここまで来ることができました。いつもサポートありがとうございます。Merci beaucoup

『シェンムーIII』は、PS4&PC向けとして2019年11月19日に発売予定です。
パッケージ版は予約受付が開始されています。

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