鈴木裕氏さんと鉄拳の原田勝弘さんの対談が電ファミニコゲーマーに掲載

鈴木裕氏さんと鉄拳の原田勝弘さんの対談が電ファミニコゲーマーに掲載されています。

http://news.denfaminicogamer.jp/projectbook/virtua_fighter

ハングオンなどのアーケードゲームや、バーチャファイター。
そしてシェンムーまで。
何と全4ページのボリューム満点のインタビューになっています。

シェンムー関連の話題を少しだけ抜粋させてもらいます。

――企画の最初の部分で、本当にロジカルに勝ち筋を詰められているんですね。

鈴木氏:
 反応はなかなか予測出来ないですけどね。
 例えば、「主人公の涼が色々な人に道を聞いたあとに、“ありがとう”と言うのに感動しました」って声が外国であったんです。その国では、人にものを聞いても「ありがとう」と言わないんだって(笑)。

【E3 2015】鈴木裕に『シェンムー3』に賭ける想いを独占インタビュー「僕はクリエイターである事を選んだ」のインタビューでも裕さんが同じことを言っていました。

世界中どこにいっても『シェンムー3』はどうなっている、と聞かれるんですよ。メールだったり、人づてに聞いたり……。そこで感じたんですが、『シェンムー』にはいろんな要素が入っているので、人それぞれ気に入ってくれたところが、ずいぶん違っているようなんですね。たとえば望という女性に会って・・・『シェンムー1』のヒロイン(原崎望)ですよね。それで運命を感じて結婚した人もいますし。

――ええっ? そうなんですか。

はい、そうなんですよ。ほかにも、日本人にとってはものすごく当たり前のことなんだけど、外国人にとっては新鮮だったりしたこともあるようです。たとえば『1』で主人公の(芭月)涼が事件の手がかりを求めて、街の人に聞いてまわるじゃないですか。その時に必ず「ありがとう」といって別れるんですよね。それに感動したという外国人もいます。それを聞いた時「じゃあ、あなたの国ではありがとうと言わないのか」と思ったりもして。

――そういう思いはあっても、あえて口にしない文化なのかもしれないですね。

しかも「すみません」「ありがとう」というやりとりは、ゲームを通してものすごく繰り返すわけです。それは日常的に経験したことがない人にとっは、けっこうショックなんでしょうね。そこで、すごく心に入り込むというか。

――たしかに「ありがとう」といって会話を終えるRPGはほとんどありませんしね。

また、いまはインターネットでいろんな情報が世界中で共有される社会ですが、昔になればなるほど、田舎になればなるほど、情報の交流がないので、その土地にまつわる文化や風習の色が強くなります。そこの民族につたわる信念や価値観といったものが、わかりやすいんですよ。そういうものがおもしろくて。

こういった日本的文化も海外でシェンムーが受けた要素なのかもしれません。

――それにしても、なぜそうまでして「映画的」なゲームを作ろうとしたのかが気になるんです。そもそも、裕さんは映画とゲームの関係をどうお考えですか。

鈴木氏:
そうね……。
以前スピルバーグさんが、マックス君という息子さんを連れてきたときに、僕に「サインをくれ」と言ったんです。信じがたい展開です(笑)。
そのときに、スピルバーグってお茶目だと思いました――彼は僕の耳元まできて、「子供はゲームのほうが好きなんだよ、いつの日も」ってささやいたんです。マックス君は、どうも『バーチャ』のファンだったみたいなんです。

――裕さんにスピルバーグがサインをお願いしたというのは、そういう経緯だったんですね。

鈴木氏:
親ってそういうものだよね(笑)。でも、この話にはもう一つの真理もあって、子供はやっぱり「映画よりゲームが好き」なんです。映画は一回観たら終わりだから、子供には退屈なんですよ。ゲームは繰り返せる上に、自分が参加できる。ゲームの最大の魅力は“インタラクティブ”にあるんです。

スピルバーグが鈴木裕さんにサインをお願いしたというのは有名なエピソードですよね。

――そうお伺いすると、どうも当時の映画を志向したゲームクリエイターの人たちとは、一線を画す認識で作られているように思います。そもそも彼らが一本道のRPGやアクションADVを志向したのに対して、裕さんはオープンワールド的な方向性ですし。

鈴木氏:
 僕としては、『バーチャ』で3次元のゲームを作ったので、今度はもう1次元、変数を増やしてみたかったんです。

――どういうことでしょうか?

鈴木氏:
 2次元の絵にZ軸の奥行きを足すと、3Dになりますよね。そこに今度は、Tという時間軸を足してみたかったんです。今この場所にバッグが置いてあっても、1時間後には片付けられているかもしれない。青空だって、時間が経てば夕焼けに変わっていく。「存在」とは何かを真剣に問うていくと、時間の要素が欠かせないんです。

原田氏:
 それを当時やろうとしたのは、本当に凄いですよ(笑)。

鈴木氏:
 だから、僕はいつも「『シェンムー』でやり残したことは?」と聞かれたら、「本当はラーメンが出たら湯気が出てて、そのうち出なくなって、麺は伸びてほしかったんだよね」と言うんです。まあ、誰も分かってくれないんだけど。

「本当はラーメンが出たら湯気が出てて、そのうち出なくなって、麺は伸びてほしかったんだよね」というのは、裕さんがよく言っていることです。
シェンムーが好きな方なら分かるかも。

――その後のゲーム史を言うと、むしろ日本のRPGは国内でこそ巨大ジャンルにはなったものの、海外では苦戦していきました。その一方で、海外のゲームは明確にこの方向に向かい、今や桁違いのグローバルビジネスになっています。ただ、『シェンムー』そのものは日本での売上は決して芳しくはなかったですが……。

鈴木氏:
 たまに「『シェンムー』でセガが傾いた」なんて言う人もいるけど、『シェンムー』が出た年にも『バーチャファイター4』とかもリリースしているし、単体利益でもセガにプラスは出してると思うんだけど(笑)。
 僕は、1年たりともセガに対してマイナスをつくったことはないと思うな。

原田氏:
 そこ、もっと言っていいと思います(笑)。

鈴木氏:
 それに、セガの中で『シェンムー』の開発で得た資産やノウハウは生きていると思う。

原田氏:
 『龍が如く』なんかはそういう側面あるんじゃないか?と、みんなそう言ってますよね。

――まさに、名越さん【※】はAM2研のご出身ですものね。

「『シェンムー』でセガが傾いた」はよく聞く話ですね。
シェンムーがその後与えた影響を考えたら、そんなことはないはずです。
裕さんも言っていますが、シェンムーがセガに与えた財産は大きいと思います。

――それにしても、最先端の技術動向を今でも押さえられていて、現役で開発を続けられている中で、このタイミングで『シェンムーIII』を手がける理由は何なのでしょうか。

原田氏:
 そこは僕も聞きたいです。

鈴木氏:
 毎年「『シェンムーIII』をいつ作るのか?」と世界中で言われ続けてるんです。
 中には「小説や漫画でもいいから続けてくれ」という涙ぐましい声まであって(笑)、僕もさすがに考え込んだんですよ。で、このまま世の中に『シェンムー』の続編が全く出ないよりは、何かあった方がいいんじゃないかとある時期から考えるようになったんですね。
 そこで、10億円で可能なこと、5億円で可能なこと、というように何種類かのバジェット(予算案)で企画書を書いていたところに、クラウドファンディングを教えてくれる人が出てきた!

――なるほど。まさにファンの声が文字通り、突き動かしたんですね。

鈴木氏:
 それを教えてくれたのが、『シェンムー』を27回だかクリアしているという海外の方で、『シェンムー』で日本語を覚えたという人なんですね。しかも、日本で彼女を作ったんだけど、その彼女の名前がヒロインと同じで、おじいちゃんの名前も同じなんですね。それで運命を感じて、プロポーズしたという……。

原田氏:
 めちゃめちゃその人の人生に影響与えてますね(笑)。

鈴木氏:
 さすがにあの重厚長大なゲームの続編としての責任は取れないけど、今出来る『シェンムー』をこの人たちに届けようと思ったんです。
 今はもう、自分よりずっと若い世代が第一線で活躍している時代でしょ。そういう中で、58歳になっても、Kickstarterでこういうチャンスが巡ってくる自分は本当に幸せだし、いつもどおり来たものを全力でやるだけだと思ってるんです。本当に、15年間も応援しながら待っていただいた、ファンの人たちのお陰ですね。

ファンのためのシェンムー3という感じですね!

この他、インタビューには興味深いお話が満載です。
全部読むと30分はかかりそうな感じです。
『シェンムー』の企画書も公開されてますので、シェンムーファンの方は必見です。

あのトマトマートの企画書も!

他にもまだまだ企画書が公開されているので、ぜひインタビュー全文を読んでください。
http://news.denfaminicogamer.jp/projectbook/virtua_fighter